人は生まれながらにして学び続ける存在です。
ある日真っ暗な中から明るい日差しの下に生まれ、その瞬間から学びがスタートします。
人は何のために学ぶのでしょうか、学びのゴールはどこにあるのでしょうか。
皆さんは、子どもの頃にあなたを呼んでいる声を聞いたことはないでしょうか、遠いとこで輝くものを感じたことはないでしょうか。
学ぶことで私たちは未知のものと出会うことができます。人は分からないことに対しては不安を持ちがちです。分からない虫は嫌い・分からない国には行かない、分からない・・・。でも分るとどう変わるのでしょうか。分かれば面白い・分かるから興味が湧く・分かるからもっと知りたい、そのような経験を皆さんもしたことがあるでしょう。私たちは「学ぶ」ことで、自分自身の可能性を広げることができます。「学ぶ」、この簡単な言葉が私たちに自由の翼を与えてくれます。学ぶことが私たちの可能性そのものを広げて行きます。学ぶことで、さらに大きな疑問に当たるかもしれません。しかし一つのことを学ばなければ、先にある大きな疑問は見えて来なかったことでしょう。無限の可能性を持つ小学生の皆さんには、ぜひ勇気をもって未知のものに向かっていってもらいたいと思います。その未知のステージをクリアする最強のアイテムは「学び」なのです。
一つクリアすると次のステージが待っている、ゲームの世界なら楽しいかもしれませんが、それが現実の世界となると楽しいばかりではありません。むしろモヤモヤ感が増し、時には苛立つこともあるでしょう。しかしこのモヤモヤを感じることができるのは、今あなたが成長している証なのです。学ぶからこそ味わえるモヤモヤ感をぜひ楽しんでもらいたいものです。でもこのモヤモヤ感は何も一人で解決しなければならないものではありません。人と分かち合うことで、新たな視点に気づくこともあります。相手も同じモヤモヤを感じていれば、そこには共感が生まれます。自分が相手の考えに刺激を与え、相手から自分の考えに刺激をもらい、より高い思考にたどり着くことができれば、それは素晴らしいことではないでしょうか。私たちはこのことを共感的コミュニケーションと呼び、この刺激の交換の方法をアクティブラーニングと呼んでいます。アクティブラーニングは、より高次の思考を生むために有効な手段の一つなのです。より良いアクティブラーニングを行い、より高い思考を生み出すためには良き友人が必要です。だから中高の六年間で数多くの友と出会ってもらいたいと思います。友と言うと仲の良い友人と限定してしまいがちです。しかし良いアクティブラーニングを行うためには価値観が異なる友人がいる方がむしろ良いのです。無理に仲良くしようと言っているのではありません。アクティブラーニング(ブレスト)を行う時のルールに「相手を否定しない」というものがあります。価値観が異なるということは、あなたと違うものを数多く持っているということにもなります。そのような友人を否定せず、その友人からも様々なものを得ることができたら、あなたはどれほど大きく成長できるでしょうか。皆さんがこれから出ていく世の中は、現在とは大きく異なる世の中になっていることでしょう。ではどのような世の中になっているのでしょうか。今の世の中とは異なっているであろうこと、今ない職業が様々成立しているであろうことは分かっています。しかし具体的にそれがどのような世界なのか、それは分かりません。その分からないものに向かって準備をする。少々矛盾に満ちた言葉に聞こえますが、それが現実です。どのような時代になっても生き抜く力が必要です。
後編に続きます。