かえつ有明中学校に入学された199名の皆さん、および高等学校に入学された221名の皆さん、入学おめでとうございます。教職員を代表して、心よりお祝い申し上げますと共に、皆様を本校の生徒としてお迎えできることに大きな喜びを感じていることをお伝えしたいと思います。
中学に入学された皆さん、皆さんはかえつ有明中学校という新しい学校に入学され、不安の中にも、大きな希望や期待に胸を膨らませていることと思います。皆さんの希望に満ちた晴れやかな今日の姿から、我々教職員に課された責任の重さを痛切に感じているところです。皆さんの期待に十分に応えるべく、これからの6年間をしっかりと支えていくことをお約束いたします。
中学一年の生徒の皆さんにお願いがございます。これまでの小学校では、手取り足取り、という表現がピッタリというほど先生が細かなところまでお世話あるいは指導をして下さったと思います。しかし皆さんはもう中学生です。一歩大人に近づきました。中学校で学ぶことは、小学校と比べると、範囲が広がり、難易度が増し、かつ抽象的なことも多くなり、各教科の進む速度も増してきます。受身の姿勢ではなかなかこれについていくのは困難です。本校の先生方は大変面倒見の良い先生ばかりですが、皆さんを小学生としてではなく、中学生として指導します。できることは主体的に行動しましょう。これからは、規律をしっかりと守りつつ、何事にも主体的に、かつ積極的に取り組むという姿勢で毎日の勉強や部活動に取り組でいただきたいと思います。
新入生の皆さん、皆さんがかえつ有明中・高等学校でこれから送る日々は、皆さんの将来に大きく係わってきます。特に、高等学校に入学した皆さんにとっては、大学受験は身近に迫っているといって良いでしょう。だからといって、今から受験勉強をスタートするのは早すぎると思います。まずは日常における「学び」を完全なものにし、入学試験で問われる基礎をしっかりと固めることが先決と思います。臨済宗に、「学ぶことの根はにがし。されど、その葉は甘し」という教えがあります。未知のことを学んで理解できるようになる、出来なかったことが出来るようになる、それは楽しくうれしいことですね。そうなれば、更にその先に開ける未知の部分に分け入って探求したくなります。そして、その結果から得られる喜びはさらに大きなものになるわけです。しかし、この学びの過程では相当の努力が必要とされます。大変さを通り越して苦しい、ということもあるでしょう。しかし、結果として得られる果実は価値があり、大きな充実感・大きな喜びを味わうことができる、というわけです。このような経験をすると、学ぶことが楽しくなり、さらなる楽しみを求めて自ら学びたくなるという好循環が生まれます。皆さんには、「学ぶ」ことの楽しさをまず味わっていただきたいと思います。学びが楽しくなる場作りに長けた先生方が本校には揃っておりますし、そのような場作りにつながる授業も沢山用意してあります。これからのかえつにおける日常の学びを通して、学ぶことの楽しさを会得し、さらに学びたい、という境地に一日でも早く入って頂きたいと思います。そうなることが、皆さんの目指す将来の目標達成の一番の近道でもあります。我々教職員はそのための支援は惜しみなく注ぐつもりです。学ぶことが楽しくて致し方ない、という境地を目指してください。新入生全員がそうなる日を今から期待して見守りたいと思います。
最後になりましたが、本日ご臨席いただいております保護者の皆様方、お子様のご入学誠におめでとうございます。本日から私たちかえつ有明中・高等学校教職員一同、皆様の大切なお子様をしっかりお預かり致します。本校の教育理念は、「生徒一人ひとりが持つ個性と才能を生かして、より良い世界を創りだすために主体的に行動できる人間へと成長できる基盤の育成を教育の原点とすること」としております。お子様それぞれが持つ潜在的能力は多様なものですが、それをできるだけ伸ばすために、全力を傾注致します。しかし、当然のことながら、教育は学校だけでできるものではありません。保護者の方々と学校がしっかりと手を取り合って生徒の成長を見守っていく必要があります。この点でのご協力・ご支援を賜りますようよろしくお願い致します。
新入生のみなさん、いよいよかえつでの生活が始まります。人生で最も多感な時期ですから、勉学・部活動・友達関係などにおいて、様々な喜びと共に、時によっては苦しみが待ち受けていることもあるでしょう。それでも、それに負けずに一日一日を大切にして、かえつでの生活が、「人生で最高の3年間あるいは6年間」だったと、心からそう言える充実した日々を送れるよう、皆さんの学校生活を全力で支援することを、すべての教職員と共にお約束して、本日の式辞といたします。
平成二十九年四月七日
かえつ有明中・高等学校 校長 小畑秀文