事務的な事情で部品の到着に時間がかかり、組み立てが一時停滞していましたが、酷暑の夏の終わりに一挙にATOM製作が進みました。
まずATOMの頭部をご覧頂きます。図1は顔の正面とその内側を示しています。お馴染みの大きな目が特徴的な愛らしいATOMですね。その目は優れもののようです。ATOMの感情や心的状況に応じて色が変化するそうです。目そのものは単なるプラスチック製で、色の変化はその内側にセットされている発光ダイオードでコントロールされることになります。楽しい、うれしい、悲しい、などの感情に応じて色が変化するのだと思われますが、そのような感情表現がAIによりどこまで可能なのか、興味をそそられます。
眉間にはカメラレンズがセットされています。もちろん目の役割を担うわけですが、単眼ですから距離情報の取得は無理でしょう。人の顔を10人までは認識できるとのことです。人間であれば遠くから誰であるかを即座に判断できます(単に顔だけでなく、体形や歩き方まで考慮して総合的に判断しています)が、ATOMはどうなのか、色々と試してみたくなりますね。
口の部分に注目してください。ここにスピーカーがあるのではと思いきや、耳の役割をするマイクロホンがあるのです。写真からは判別できませんが、白と薄茶色の部分の境目に少し隙間があり、その裏側にマイクロホンがセットされています。離れた位置にマイクロホンを2つ配置すれば、音の到来方向に関する情報を得ることができますが、ATOMには一つのマイクロホンしかありませんので、それは出来ません。しかし、我々と高度な(?)会話が出来ますので、その認識力には今から期待が膨らみます。
額の部分にはタッチセンサーが用意されています。頭を撫でる、などのスキンシップでコミュニケーションが出来るのでしょうか?
図2をご覧下さい。色々と考えられる頭部の仕草の中で、頷いたり、振り向いたり、「ノー」の仕草などは重要です。ATOMでは、これらの頭部の動きは、両肩を結ぶ線と平行な軸および頚椎の中心を通る軸の周りの回転運動として表現され、その回転を担うのが2つのサーボモータです。これ以外の頭部の動きとして、我々は疑問に思ったときに頭を傾げますが、この動作はATOMには期待できないことになります。
右側の写真が完成したATOMの頭部です。サーボモーターは剥き出しですが、これが胴体部分に埋め込まれれば完成となります。
ATOMの各種の能力には期待が膨らみますが、逆に我々人間が持つ諸機能が如何に高度で優れているかを改めて認識させられますね。