【かえつ有明2020】~石川校長のビジョン(8)~校長としてどのように生徒と接するか

DATE : 2015/6/29

校長としてどのように生徒と接するか

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現在私は授業を担当しておりません。もちろん担任や部活顧問もありません。生徒の顔を見て直接何かを伝える場というのは限られているのですが、毎朝校門に立って生徒を迎えることだけは、ずっと続けています。

梅雨空だったり蒸し暑かったり、冬は冬で寒くて持病の腰痛に苦しめられたり、ということもあるのですが、生徒との出会いはそんなことが吹き飛んでしまうくらい、とても楽しい時間なのです。

心がけているのは、笑顔で生徒を迎えて一人一人の顔を見て挨拶することです。かつては、服装のチェックや挨拶のチェックを厳しくしていたこともありました。遅刻ギリギリにくる生徒には怒鳴って急がせたりプレッシャーかけたり・・。しかし、今は一切そんなことはありません。そんな気も起きません。「今日もよく学校に来たね。一日がんばって」という思いです。この境地になってきたのはようやく最近ではありますが・・・。

この数年間、朝の挨拶を続けてきて、管理職として校門に立つのに細かいことを注意するのはどうかと思って、笑顔で挨拶をすることをやってみたのです。内心では服装が気になったり、遅刻ギリギリで急がない生徒にはイラとしたり。でも続けているうちにだんだん、先ほど述べたような境地になってきました。

プレッシャーかけたり注意したりしないと生徒たちはちゃんとしないのかというと、それがそうでもないんです、不思議なことに。笑顔で一人一人に挨拶するだけで思いは通じるんですね。生徒たちは挨拶もきちんとするし、服装もちゃんとしている。遅れそうな生徒は走ってやってくる。

そして日々生徒たちを見ているとこれが実に面白い。4月に入学したばかりの中1は、身体と同じくらいありそうなカバンを持って登校。昨年までは友達と会話しながら来ていた高3が単語を覚えながら登校。運動部の生徒が大会で負けたのか放心状態で登校。仲良し女子3人衆が何かあったのか、2人と1人でタイミングをずらして登校。朝、親と出際に喧嘩したのか不満顔の男子生徒が登校・・・・。


 1000人を超える生徒が登校してくるのですが、そこには1000のストーリーがある。なかにはあまり状態がよくなさそうな生徒もいます。でも私自身は将来成長した生徒たちのいい姿をイメージするようにしています。今はまだ反抗期の生徒もどこかで大人になっていく。友達と人間関係で悩んでいる生徒もその悩みで逆に自分を変えていく。生活習慣の乱れがもとで親と喧嘩した生徒もいずれ規則正しい生活習慣を身につける。

生徒一人ひとりは絶対に成長する、と自分は確信しています。ただ、成長が形になるまでには時間がかかる。そして山あり谷ありで身近な人をイラとさせる。あれだけ注意したのに翌日同じあやまちを繰りかえして・・・と。

でも人間は成長するものです。将来のいい姿をイメージし、それを確信してメッセージを送り続ける。笑顔で一人一人に挨拶するだけでも、何かが通じるはずだと思っています。これが校長として自分にできる教育の原点なのです。

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