【かえつ有明2020】~石川副校長のビジョン(18)~

DATE : 2015/3/3
中高一貫教育について
    本日は卒業式でしたので、それにまつわる話題として中高一貫教育について話しましょう。
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   今年の卒業式でも6年間持ち上がりの先生が何人かいました。考えてみると凄いことだなと改めて感じます。中学1年生から高校3年生までの成長をずっと見守ってきたわけですから。
    今回の卒業式で誓いの言葉を述べた卒業生の話が象徴的だと思うのですが、あの生徒が今も心に残っていると話した先生の言葉が、高校3年時の体育フェスタの言葉であり、また、中学1年生の最初のオリエンテーションの時の言葉であるわけです。そういう歴史の積み重ねが先生と生徒の間に出来上がるというのは中高一貫校の素晴らしいところですね。
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    親が我が子を育てるのとは違った意味で、先生の重要性というのはあるのだとつくづく感じます。親だからこそできることがあるし、子どもが困っていれば手を差し伸べるのは親の務めとして当然ですが、親はどうしても日々の短期的なことに目を向けてしまうものです。
    その点先生は、3年や6年というスパンで生徒を見ることができる。例えば中1や中2の段階で少々落ち着きがないという生徒でも、3年4年と経てば見違えるほど大人になっていくということが経験的に分かっています。
    だから何度か卒業生を送り出している先生は、生徒に対して寛容になっていくし、落ち着いた指導ができるようになるのです。そのあたりは短期間に結果を出す必要のある塾の先生とは違うのだと思います。
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    つまり、生徒が成長する一方で、先生の方でも生徒から学んでいるのですね。特に、6年間も一緒にいれば、先生だって常に完璧であるわけではない。ありのままをさらけ出しながら、人間的な関係を構築していくわけです。
    人工知能が話題になっていて、様々な職業が人工知能に取って替わるのではないかと言われていますが、こういった人と人とのつながりという部分は、人間が担うしかない部分だろうと思います。
    私学の良さというのもあって、それぞれの生徒が育ってきた地域が様々であること、特に本校では帰国生が多いから生徒のバックグラウンドは本当に多様です。その多様性が中学1・2年生のあたりで、ブレンドされるというか、かえつのコミュニティ文化に溶け合っていくプロセスを経験できるのも私立中高一貫校ならではの良さです。
    高校から入学してくる新クラスでは、そのあたりの課題を克服するために、入学後すぐに行われるケンブリッジ研修などを通して、かえつの文化に馴染む時間を短縮する工夫を凝らしています。学校は勉強ができるようになる場所であるだけではなく、様々なバックグラウンドを持つ仲間が新しいコミュニティを形成していく場でもあるのです。
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