【かえつ有明2020】~石川副校長のビジョン(10)~

DATE : 2014/11/27
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    今回は、帰国生教育についてお話をします。少し宣伝じみたことから始めますと、先日、サンデー毎日の「帰国子女が選ぶ一貫校」という特集で、本校が中学入試志願者ランキングのナンバー1として紹介されました。これは私にとってとても嬉しいことです。進学実績が良いとか、英語力を伸ばすとか、様々な物差しが存在しますが、まずは多くの帰国生に受験しようと思ってもらえる学校だということに誇りを感じます。
 
    というのも、有明の地に移転した際に帰国生の受け入れも開始しましたが、当時はまだ帰国生からの認知度が低く、編入で1名、また翌年に1名といった感じでした。それが今や全体生徒数の15%に迫るほどにまで増えてきたのですから、志願者ランキング1位というのは感慨深いものがあります。
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    私自身かつて小学生のときに海外で暮らしておりました。現地校で英語をそれなりに話していましたが、日本に戻ってからはそういう「帰国子女的な」英語を封印するようになり、英語力を伸ばすことができないままに中高生時代を過ごしてしまったという忸怩たる思いがあります。ですから、本校では帰国生が帰国生らしくいられる環境づくりを重視しています。
 
 その一つとしては、英語力の伸長です。英語が得意な生徒はどんどん英語を伸ばしてほしいという考えから、本校のオナーズクラスではIBのTOK(Theory of Knowledge)をモデルにした、哲学的な対話型授業をしています。これは英語「を」学ぶというよりは、英語「で」考える授業です。英語には英語特有の論理構造があるので、日本語に翻訳しているとどうしても伝わらないといいうか、自然ではないところが出てしまいます。海外で学習を進めてきた帰国生にとってはむしろ、英語のまま日本語を介在させずに思考する力を伸ばしてもらいたいのです。
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    また、帰国生というのは、積極的に自分の意見を述べるとよく言われますね。国際校や欧米の現地校などでは、この部分を徹底的にトレーニングされますから、彼らはそういうことに慣れているわけです。本校で「I think …. because…. 」が言える生徒の育成を目標として掲げているのは、国際的な言論の場ではそれがスタンダードで、帰国生からどんどん学べる部分だからです。
 
    帰国生が受けてきた教育は、他にも様々な面において、本校に新しい風を送ってくれています。そういう意味では、帰国生が学びやすい環境を用意する一方で、帰国生から学ぼうとする姿勢が私たちにも求められているのだと思います。本校のそのような姿勢が評価されているのだとすれば、帰国生志願者ランキング1位はとても嬉しい限りです。
 
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