【かえつ有明2020】~石川校長のビジョン(22)~自分を信じる力

DATE : 2015/10/17

今日は高校受験生を想定した話をしたいと思います。

生徒に「将来何がしたいですか」と質問すると、大きく三つのタイプに分かれます。一つは、明確に「○○がしたい」と答える生徒。それから二つ目のタイプは、「まだはっきりしていません」という生徒。そして最後のタイプは、本当はやりたいことがあるけど、それを口にできない生徒です。 

おそらく一つ目のタイプの生徒というのは非常に少なくて、大半の生徒は後の二つのどちらかになるのではないでしょうか。特に、高校受験を控えている中学生たちを考えてみると、自分のやりたいことや好きなことがあっても、受験勉強のために制限させられたり、我慢を強いられたりすることが多いのではないかと思います。音楽に打ち込みたい、絵を描いていたい、思いっきりサッカーをしたいなどといった思いはあるけれど、受験が終わるまでは我慢しなければ、といった気持ちになるわけですね。 

しかし、中高生って、これからの可能性がまだまだ十分にある年齢ですね。ましてや現代のように、世の中がどんどん変わっている時代においては、現実路線の中から自分の将来を固定的に決めることは、もしかすると逆にリスクが高いのかもしれません。自分の可能性の幅を狭めてしまうことになってしまうわけです。 

やりたいことが途中で変わってもいいから、その時その時の自分の気持ちに忠実になることが結構大事です。いわば「感性」ですね。自分の人生を悔いのないものにするには、そういった「自分を信じる力」をつけていく必要があるのだと思います。 

自分らしく生きるということが日本の受験制度の中では否定されがちで、「もっと現実を見なさい」とか「いつまでも夢を見ていないで大人になりなさい」といった言説ばかりが幅を利かせているようです。しかし、若いうちに大切なことは、自分を信じる力をつけることであり、教育ができることは、その子どもたちの理解者、そして支援する力になってあげることだと思うのです。 

昨年から始まった本校の高校新クラスは、内進生もいますが、多くは高校から入ってくる生徒です。そこには、かえつの従来の文化とは違った人たちがたくさん集まってきます。入学して最初にやるイベントが、英国のケンブリッジで2週間を過ごすという、ある意味で「生まれ変わる」ような体験をしてもらって、本当の自分を再発見してもらうということです。

英語というツールを身につけると、世の中でできることの可能性は何倍にも、乗数的に増えていきます。すでにやりたいことが決まっているという人も、海外で英語を使った生活を体験してみると、これまでとは違う自分の可能性にきっと出会うことができます。 

自分の感性を信じる軸、そしてグローバルな感覚、そして、英語でも日本語でも、異なる考えを持つ相手と議論できる力、こういったものを高校時代にぜひ身につけてほしい。高校受験では、そんな意識を持った生徒に来てほしいなと思っています。

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