【かえつ有明2020】~石川校長のビジョン(31)~サイエンスとプロジェクト(1)~

DATE : 2015/12/10

本校のカリキュラムの柱とも言えるサイエンス科とプロジェクトについては、これまで何度か触れてきましたが、今回は再確認の意味を兼ねて、この教科の特徴や意義についてお話をしようと思います。 

サイエンスについて 

これまでの日本の教育では、知識・理解を重視し、考える力をどのように育成するかということについては、それほど意識されてこなかったのではないでしょうか。

もちろん一人ひとりの先生の工夫によって、思考力や表現力の育成はされていますが、教科の垣根を超えて、学校全体として「考える」ということを方法論として体系的に学ばせている学校というのはほとんどないのではないかと思います。 

サイエンスが担っている部分を表現するなら、この思考力・判断力・表現力といった三位一体とも言える高次思考を育成するプログラムだと考えています。ここで言う高次思考というのは、ブルームのタキソノミーで言うところのレベル4からレベル6のことで、Higher Order Thinking=HOTとも呼ばれています。すなわち論理的思考力、批判的思考力、創造的思考力のことです。
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私立学校研究 (c) ホンマノオト より転載

欧米という括り方はあまり好きではありませんが、「欧米の教育」にあって「日本の教育」にないものが、高次思考をトレーニングする部分です。本校のサイエンスは、まさにその部分を担うわけです。公式のように表すとすれば次のようになります。 

「欧米の教育」-「日本の教育」=「高次思考の育成」

サイエンス科では、思考する上でのスキルに注目し、その方法を全教科で活用しています。つまり、フォーマットを与えることで、考えるための道筋を明確に示していくのがサイエンス科で行っていることです。思考のプラットフォーム作りと言ってもいいでしょう。この部分ができることで、グローバルな場での議論をきちんとしていくこともできるのです。

日本のことだけ考えていればよい時代は、そこをトレーニングしなくても、以心伝心でやってきたわけですが、21世紀はそうはいかない時代です。世界で使っているスタンダードを意識しておかないと、国際的な会議などでは通用しないということが明白になってきました。

 プレゼンテーションであれ、議論をすること、あるいは論文を書くことであっても、高次思考が必要になります。フォーマットを利用しながら、そのような思考の「型」をつけていくのがサイエンス科の役割であるわけです。
サイエンス①

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