大学センター試験が終わり、高3生と話をしていて感じるのは、この時期の受験生って、雄弁になるというか、結構ハイテンションになっているなということです。自分の不安を誰かに聞いてほしいという気持ちが強いためでしょう。こちらも、大丈夫だよと励ましたり、具体的なアドバイスしたりするのですが、その反面、長い人生において受験というのは通過点に過ぎないのだよと言ってあげたい思いも頭をよぎります。入試を直前に控えている当人を前にして、さすがに現実に口には出しませんが、テストなどによって判定されることは、これから先の人生において何度か経験するはずのことで、うまく行くこともあれば、うまく行かないこともある。そういうものだよと声をかけてあげたい気持ちになります。
決していい加減にやれということではないのです。本人もその気になっているのですし、頑張ってなんとか第一志望に合格してほしいと願っています。ただ、第一志望に合格するのは、通過点に過ぎず、そこからが新たなチャレンジの始まりなのですね。逆に、残念ながら志望校に合格できなかったという場合でも、そこから何かを得ることができるのです。要は、自分が出す結果を、最善のものから最悪のものというように序列化するのではなく、その結果から、新しい何かを掴み取ってほしいと思うわけです。たとえ自分の意中の学校に入れなかったとしても、自分が行くことになる新たな環境に価値を見出すことです。どんな環境においても、それをプラスにしていく力は、ただ一回の結果以上に大切なものです。
これから中学受験をされる方にも同じことが言えるのではないでしょうか。受験まで必死に頑張ってきたお子様に良い結果が来ることを願わない親はいないでしょう。だからといって、今回の受験で良い結果だったことが、この先のすべての結果を保証するわけではありません。第一志望の学校に行ったことで、見失ってしまうことがあるかもしれません。逆に、志望校に行けなかったことで、何かを得ることもあるはずです。入試でも就職でも、あるいは、時には結婚において?(笑)、人生は常にベストの結果だとは限らないものです。
結果に一喜一憂するばかりではなく、その結果から何を学び、どう次に活かしていくか。それこそが、受験を通して親が子どもに伝えられる知恵なのではないでしょうか。
中学受験生を応援する気持ちは私も同じです。結果への心構えについて話をさせていただきましたが、良い結果が出ることをお祈りしております。そして、良い結果を振り返りながら、また次の目標に進んでいってほしいと願っております。