アクティブラーニング型思考力入試です。日本初の入試です。
12月1日に掲載したものを再掲します。
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2016年度の中学入試では、本校は「難関思考力テスト」というものを初めて実施します。本校として初の試みであると同時に、おそらく、中学入試史上初の試みではないかと思っています。今回はこのテストについてお話します。
本校では5年ほど前から思考力テストを行ってきました。サイエンス科が採り入れている学びをテストに反映したもので、ファクトとオピニオン、コンペア・コントラストといった、考えるための手法を盛り込んだテストです。正解が一つではないという点で、従来の入試とは一線を画したものだと自負しています。
今回新たに始める難関思考力テストは、単に難易度が高く設定されているというだけでなく、グループでの活動や対話などを通して、子どもたちの思考や表現のプロセスを見ていこうという点で、これまでの思考力テストを深化発展させたものだと言えます。
アクティブラーニングが話題になっている中で、本校も様々なメディアから注目をされていますが、その授業の手法をテストに落とし込んでもいいのではないかと考えたことがこのテストが生まれたきっかけです。グループワークと個人での作業の両面を通して、より良い解答を目指す。いわば「アクティブラーニング的なテスト」ですね。
実際、世の中に出ると、一人で何かを進めていくことはそれほど多くないわけで、企業などではチームで仕事をしていきます。人の意見を参考にしたり自分の考えを人に伝えたりしながらアイディアをまとめることは、私たちが日常的に行っていることです。
難関思考力テストでも、グループの力を借りながら、難易度の高い課題に向けて1ステップずつ上がっていくプロセスをたどることになります。グループの力を借りるとは言っても、目標とするべき課題がありますから、単にグループで仲良くすることが評価されるのではありません。課題を達成するために、グループの力をバネにして、どう自分の表現に結び付けていくか、こういう能力が見たいわけです。
活動のプロセスを評価する指標がループリックと呼ばれるものです。このルーブリックは、「かえつ知のコード」に沿って細目が書かれています。このルーブリックに基づいて子どもたちを見ていくわけです。
評価はあくまでも個人単位ですから、所属するグループによる不公平というものはありません。もちろんグループによってメンバーの特性は違うでしょうから、それぞれのグループにおける個人の役割というのは変化する可能性がありますが、発言することばかりが評価されるわけではなく、相手の意見を聞く力もグループワークの大切な要素です。あるいは、上手に発言ができなくても知的好奇心が感じられる子どもというのは、見ていて分かるものです。
ですから、所属するグループによって不公平が生じることはないのです。環境は与えられるもので、それは変えられない。与えられた中でどう自分が役割を果たすか、まさに「怒るな働け」の精神を発揮することが大事です。
今回の難関思考力テストは、本校の授業に対する考え方を反映したものです。こういう考え方は何も特殊なものではなく、企業での採用でもグループディスカッションなどを通して行われています。おそらく大学入試だけが、知識の暗記に重点を置いたいびつなものになってしまっているわけですね。2020年に予定されている大学入試改革では、主体性や協働性を評価する独自入試のあり方が検討されているようですから、そのような入試の先鞭をつけるものになるのではないかと考えています。
12月12日(土)に、前回体験できなかった方のために、再び体験講座が開催されることになりましたので、ぜひ多くの方にご参加していただきたいと思っています。お待ちしています!