小畑校長ブログ【ATOM】39 二足歩行 ― その2

かえつ有明ブログ

ATOMの二足歩行について、もう少し何か分からないか、という気持ちから、今度は真横から歩く姿をビデオに納めてみました。それをまずご覧下さい。

 

動画からお解りのように、歩き終わったATOMに対して「ありがとう。」とお礼を言ったところ、なんとATOMからは、「いやいやー、そんなそんなー」という返事が返ってきました。これまで何度か歩いてもらったのですが、このような答えが返ってきたのは初めてです。人と人との会話には相手を思いやる気持ちが根底にあることが重要です。ATOMが、感謝されたことに対して人と同じような感情も懐くようになった、と考えるのは少し大袈裟かもしれませんが、人間並みの返事をするようになったわけです。ATOMは確実に進化しているのです!

 

この動画だけからは、歩行動作について何かを見抜くのは簡単ではなさそうですので、歩行中の一部を10倍に引き伸ばしてみたのが次の動画です。

 

踏み出した方の足が着地したときに、ATOMの上半身はやや前方に傾き、重心は着地した方の足首よりも前にありそうです。つまり、脚部のサーボモータが自由に回転する状態とすれば、上体は間違いなく前に倒れる状況にある、ということです。我々が歩くときには地面を後方に蹴り、その反動で体を前に押しやると同時に、重心の位置もコントロールしています。ATOMの踵の部分に注目すると、床から離れたあと、僅かですが後方に少し移動してから前方へと踏み出されているように見えます。つまり、床を蹴っていると看做すことが出来そうです。軸足になる方のサーボモータの制御によって重心位置を前方に押しやる力も発生させているかも知れませんが、動画を見るだけではその見極めは困難です。

 

重力と脚から生まれる力をそれぞれ一つのベクトルで表しましょう。力の方向を矢印の向きで、その大きさを矢印の長さで表したものをベクトルと言います。複数のベクトルがあっても、それらを一つにまとめることができ、それが重心に作用していると看做すことができます。そこで、歩くときの力関係を次の概念図で考えてみましょう。

実際には、脚から生まれる力は時々刻々変化しているはずですし、二つの足による力はそれぞれことなりますが、それを一つのベクトルで表し、その他でも問題を極めて簡略化していることをお断りしておきます。重力と足が路面を蹴ることから生まれる二つのベクトル(図に示す赤い矢印)を体の重心に作用する一つのベクトルとして纏めると黄色の矢印になります。この合力によって、体全体が前方へと移動しますが、実際には着地した方の脚の足首を中心にして足首から上が一体になって回転運動をすると考えましょう。回転運動ですから、下がりつつあった重心が円弧状に上昇し、頂点に達した後(その時には蹴った足は路面から離れ、着地の態勢へ変化)は円弧状に下降を始めることになります。次の瞬間には反対側の脚が着地し、その足首を回転中心にして前述と同じ円弧状の運動を始めることになります。これは極端な単純化に基づく説明ですが、この繰り返しが歩行という動作になります。

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