授業が4月の本格的に始まりました。
授業を覗くと映画『長州FIVE』を鑑賞している生徒たち。
なぜ、映画鑑賞なのでしょう?
幕末、雄藩のなかでは、海外で新しい知識や技術を吸収しようとする機運が高まっていました。とはいえ、実現は不可能です。いくら徳川300年の鎖国が打ち破られたとはいえ、海外渡航は幕府の禁制であったからです。ところが、長州藩がこの禁を破ります。1863年5月、密航留学生5人を送り出したのです。彼らは当時の最先端の知識・技術を持ち帰り、日本を近代化の流れに導いていくのです。
鑑賞を終えると、担当の木之下教諭より次の問い。
「あなた」にとって、この映画はどのような意義を持つ?
鑑賞シートにぎっしりとメモされた自分なりのキーワードや印象に残ったシーンから、自分にとってのこの映画の意義をそれぞれ定義づけていきます。
そして、次の問い。
「あなたたち」にとってこの映画はどのような意義をもつ?
この<正解のない問い>に対し、グループにわかれて自分にとっての意義を場に出します。
「人の考え方で国は変わる」、「相手を認める」、「大きな世界をみて自分の世界の狭さに気づく」、「新しい体験への勇気」、「学びにいく姿勢、学ぶ強い意思」など様々な意義がホワイトボードに挙げられていきます。
この映画が「好きか‐嫌いか」、「おもしろかったか‐つまらなかったか」ではなく、
意義を見出そうとする中で自分事になり思考が掘り下げられていきます。
新クラスのコンセプトの1つは、
学びは「与えられるもの」ではなく「つかみ取りにいくもの」です。
決死の思いで渡英し技術を学んだ5人の主人公を、イギリス・ケンブリッジ研修に向かう自分たち23人にシンクロさせている生徒も多くみられました。
ケンブリッジ研修での〖学びのパラダイムシフト〗の深化にさらに期待が高まります。
最後に、各グループがそれぞれ定義づけた「意義」を発表し、クラス全体で共有します。
しかし、答えを1つに出すことはしません。
「意義」はそれぞれで良いのです。
1学期は欧米の近代化~帝国主義の時代が学習範囲として設定されています。
今後、どのような授業が展開されるのか楽しみです。