チェックスタンドが完成しました(サーボモーターにIDを書き込むもので、眠り顔のATOMが頷きます)。
写真に示します。
サーボモータと歯車機構が組み込まれており、モータが回転するとATOMの頭部が動く仕組みになっています。
電源は4本の単三アルカリ乾電池です。動作確認コマンドをロータリースイッチで選んで電源スイッチを入れれば、
眠り顔のATOMの頭部が上や下を向いたりうなずく動作をします。単純な動きですが、ようやくロボットらしくなってきました。
ドライバー一本で簡単に組み立てることが出来ました。各部品の仕上げ精度が高いからでしょうか、嵌(は)め合いは申し分なく、
日本のものづくりの確かさを実感しました。
久しぶりの工作でしたが、組み立てにおいて最も注意したのはネジ締めの強さです。部品はプラスチック製で、強すぎると割れる危険性がありますし、
弱すぎるとゆるみが出て、がたが来ます。適度な強さが求められるわけです。“適度”とは曖昧ですが、それ以外には表現のしようが無い感覚的なものです。
これまでの生活体験に基づく“経験”が生き、うまくいったと自己満足をしています。
ネジとは、二つの物体をある強さで締め付けて固定するものです。しかも、その締め付ける強さは予想を超える大きなものになるのが普通です。
その理由は小学校6年のときに習うてこの原理がわかっていれば理解できるものです。感覚的には以下のように説明できます。
自転車で坂道を登るときのことを考えてみましょう。自分自身の体重と自転車の重さを足し合わせたもの(これをWとします)が負荷になります。
急坂であれば、ペダルに全体重をかける必要があります。一方、緩やかであれば移動距離は長くなりますがサドルに腰を載せたまま楽にペダルを漕いで進むことができますね。
図に示すように、円柱に斜面を意味する三角形を巻きつけてみれば、ネジ山が斜面になっていることがわかります。
ネジのピッチ(ねじ山の間隔)が小さい(すなわち、斜面が緩やかな)ほど、小さな回転力(斜面を登ろうとする力)でネジの中心軸方向に大きな力を発生できるのです。
ただし、中心軸方向の移動距離(斜面でいえば高さ方向)は小さくなります。
正しくは、摩擦の効果まで考慮した力のつりあいに基づいた説明が必要ですが、直感的には斜面を自転車で登るときのアナロジーで考えることができます。
日常、ありふれたネジですが、学術的にも理にかなった優れものなのです。日常、当然すぎて改めて考えてみることも無いものの中に、
思わぬ発見があったり、奥深いものであることに驚くことがあります。“何故”という感覚を常に持ち、納得できるまで自ら調べてみるという習慣を身に付けると良いですね。
若人よ、アクティブ・ラーナーたれ!