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【ATOM⑦】アトムと高田馬場

DATE : 2017/7/10

JR山手線の高田馬場駅では鉄腕アトムのアニメ主題歌が発車メロディに使われています。2003年3月1日からとのことです。アニメの中では、鉄腕アトムは高田馬場にある科学省で同年4月7日に生まれたという設定になっています。また、そのアニメの生みの親である手塚プロダクションの本社が高田馬場に実際に存在しています。アトムと高田馬場との結びつきはきわめて強いものがあるわけですね。国民的アイドルともいえる鉄腕アトムを町興しの柱に、と考えるのは自然の成り行きかもしれません。高田馬場西商店街振興組合がそこに目をつけ、アニメの主題歌を発車メロディにと強く要請したことから実現したのだそうです。

 私の自宅は西武新宿線沿線にあり、山手線との乗り換えで高田馬場駅はお馴染みの駅と言えます。鉄腕アトムのアニメ主題歌は極めて軽快な曲ですから、電車から降りてホームに立ち、発車メロディーが流れ出すと、自然に音楽に合わせて足が軽やかに動き、思わず口ずさむこともあるほどです。私にとって耳に残る発車メロディはこれしかないといって良いでしょう。山手線内回り(メロディ1)と外回り(メロディ2)で違いがあるのもうれしいですね。雑踏の中での録音ですが、ホームの気分が味わえるでしょうか?

 高田馬場駅がアトムの駅といえるものがもう一つあります。早稲田口のガード下に描かれた壁画です。手塚プロダクションにちなんだキャラクターが勢揃いしたものです。

西武側壁画(壁画A)は「高田馬場や西早稲田地域の歴史と文化~過去から現在そして未来へ」をテーマとしています。大正時代の中頃には新宿区を流れる神田川・妙正寺川の清流を求めて高田馬場や早稲田近郊には多くの染物業種が集まってきました。この辺りは東京染小紋、東京手描友禅の一大地場産業地区でした。友禅流しの様子を描いた部分(壁画B左)や「七重八重、花は咲けども・・・」で有名な太田道灌と山吹の里の話(壁画C)、新宿で活躍した文豪たち、地球の未来図(壁画B右)、などが躍動感溢れる形で描かれています。

JR側は以前から駅舎側にあった壁画「ガラスの地球を救え」を復元設置したもので、サステイナブルな地球実現の願いが強く伝わってくるものです。これからも長期的かつ世界規模で取り組むべき課題(壁画D)を力強く発信している壁画です。

音楽や絵の持つ大きな力を感じさせる場所、それが高田馬場駅なのです。NHKの人気番組ブラタモリ」流に探索する価値ある地域でもあります。

 

 

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