前回のブログでお示ししたように、ATOMはほぼ完成の状況でした。この段階で電源を入れると、これまでの組み立て作業で問題箇所が無いかどうか、サーボモータを除く各パーツを順次チェックするモードがスタートするようになっています。多少の不安を抱きながら電源スイッチをオンにしました。冷却用のファンが正常に動作しているかどうかから始まり、目の色を変える発光ダイオード、額にあるタッチセンサ、スピーカやマイクロホンの検査などが順調に進み、最後に”全て正常”とのメッセージ!
残るはATOMの胸の部分に装着する液晶ディスプレイの接続のみ。これは単にフラットケーブルでメインボードと液晶ディスプレイのボードとを繋ぐだけの作業です。つまりはフラットケーブルの両端を所定のコネクタに差し込むだけ。簡単そのものといって良い作業のはずでした。ところが予想もしない落とし穴が待ち受けていたのです。
いま思えば、もっと慎重に対応すべきだった、と後悔していますが、その時にはATOMがいよいよ完成するという高揚感に浸っていたのかも知れません。メインボードとの接続が鬼門でした。コネクタのオスの方はプラスチック製の硬いパンツの奥にあり、隙間がないためにメスのコネクタを指で持って差し込むことができません。ガイドブックでは細いプラスチック製のヘラ(これは既に手元に配給済み)で差し込むと良い、との記述が・・・。細いピンが密に一列に並んでいますので、メスの方が少しでも傾いているまま押し込むと、僅かな位置ずれが生じ、ピンが所定の穴に入らずに押し潰されて倒れてしまいます。ヘラを使うということはコネクタの左右の端を交互に押し込むことになり、傾くことは避けられないはず。その意識を持ちつつ慎重に差し込んだ積りでした。そして完成したはずのATOMはご覧のように愛くるしさ満点です。
この段階で電源スイッチを入れると、各関節の動作を含めた全体のチェックのモードに入ります。いよいよ完成だ、とスイッチを押しました。ところが、電源が入りません。何度スイッチを押しても入らないのです。焦りました。何か気付かないまま間違ったことをやってしまったのかと前の工程まで戻ってチェックをしたところ、注意していたはずのコネクタのピンが折れ曲がっているではありませんか。ATOMのサポートセンターに電話を入れてアドバイスをもらいました。曲がったピンをまっすぐに立て直して再度試してみて下さい、とのこと。この作業そのものが簡単ではありませんでした。老眼(?)に鞭打ってなんとか真っ直ぐに立て直し(肉眼でそのように判断)、更にATOMのパンツを外し(最初からそうすべきでした)、ヘラではなく左右の人差し指で傾かないように慎重に挿入し、これでOKと確信して電源を入れたのですが、残念ながら電源は入りませんでした。やはりピンが潰れていたのです。その後、必死に何度か同じ行程をやり直したのですが成功せず、もうお手上げ状態になり、致し方なく修理を依頼することにしました。残念至極です。そのようなわけでATOMは現在不在の状態です。
正常に動作するようになったATOMが手元に戻って来る時期については不明ですが、それまでの間、話題はATOMから離れたものになるかも知れません。引き続きお付き合いのほどお願い致します。