ATOMは一つのAI(人口知能)システムです。その心臓部分はと言えば、勿論コンピュータシステムですね。そのハードウエアとソフトウエアとを装着すれば、ATOMに生命が吹き込まれ(?)、知的なロボットとして完成となるはずです。図1がその心臓部分です。勿論、ソフトウエア部分は見ることは出来ませんが、ハードウエアは僅か2枚の小さな基板で出来ています。
ATOMの心臓部分を構成する一つのハードウエアが図1右側のRaspberry Pi 3という汎用のシングルボード・コンピュータです。外形寸法は約86(W) x 57(D) x 17(H) mmと小さく、重量も僅かに45グラムほどの軽さで、有線・無線の通信機能を有し、画像処理やグラフィックスの機能に優れ、各種の外部機器との接続が容易、という優れた特徴があり、いま流行のIoT(もののインターネット)には欠かせない存在となっているものです。
Raspberry Pi 3は矢印で示すマイクロSDカード(僅かにカードの先端(黒い部分)が飛び出している)の中身次第でSpecial Purpose Computerとして動作します。即ち、ATOMに適したOS(オペレーティング・システム)、メインボード(後述)への動作指令やデータのやり取りなどをするソフトウエアをマイクロSDカードに書き込んでおけば、ATOM専用のコンピュータシステムになります。
ATOMらしいデータ処理を受け持つのが図1左側のメインボードです。技術的な情報は公開されていませんので、あくまでも推測ですが、ATOMらしい知的な判断、すなわち人工知能としてのニューラル・ネットワークの出力計算や学習などはこの専用ボードで行われるものと思われます。ATOMを構成している各種のセンサ(カメラやタッチセンサなど)やサーボモータの端子の大半もこのボードに接続されます。
メインボードとRaspberry Pi 3を繋ぐのがフラットケーブルです。数え間違いが無ければ33本のプリント配線からなるもので、ATOMの心臓部は一度に32ビットのデータのやり取りが出来る32ビットマシーンというわけです(残りの一本はアース線でしょう)。
Raspberry Pi 3はATOMの背中に、メインボードは腰部を水平に貫くように挿入され、その下の腹部にスピーカーが装着されます(図2)。ATOMの声はここから発せられます。図3がATOMのほぼ完成した姿です!ATOMが動き出す、話し出すのはもうすぐということです。