今まで3年間かえつ有明中学校に通ってきて、今日、初となる大きな変化がありました。マスク着用の義務から解放され、自分の意思次第で自由に外せるようになったのです。そのおかげではじめて皆の素顔を見ることができました。中にはもちろん自分の想像とは違う顔の子もいました。3年間もともに学校生活を送っていたにもかかわらず、卒業の日になるまで素顔すら見たことがなかったという事実に驚きを隠せません。これはある意味、このコロナ渦の時代を生きた証とも言えるでしょう。
さかのぼること3年、かえつ有明中学校に入学する前の僕たちは、新しい学校生活への期待と不安で心躍らせていました。しかし、そこに待っていたのは、僕たちが想像していたものとははるかに違う生活でした。当時、新型コロナウイルスが猛威を振るっていて、入学式もなく、学校に登校することもできませんでした。そこで始まったのがオンライン授業でした。初対面がオンライン、Zoomの画面上で先生や友だちに「はじめまして!」という今まで経験したことがない学校生活に、僕たち生徒はもちろん、保護者や先生方も不安を感じたことでしょう。一方で、すべてのことが対面でできないため、チャットで会話をしたり、自己紹介の動画を創ったり、僕自身初めてのかえつでの生活に新鮮味を感じました。今となっては遠い昔の思い出のように感じます。
(中略)
今の15期生で集まることが出来るのも今日限りとなります。高校からは、内部進学する友だち、外部進学する友だちや、留学する友だちなど、それぞれが異なる道を歩むことになります。今日が15期生の集まる最後の日と思うと少し寂しい気持ちもあります。しかし、僕たちは皆、かえつ有明中学校の出身だということに変わりはありません。僕たちは、この三年間の学校生活を共にした仲間です。今後どのような人生が僕たちを待っているかわかりません。3年前の僕たちに今の自分たちの姿が想像つかないのと同様に、この世の中は今もなお変化し続けています。ですが、この変動する世の中を生きていくためにも、この仲間たちと共にこれからも一歩一歩進んでいくことを誓います。」