2回戦に勝ち、喜んだのもつかの間、すぐに3回戦が始まるとの連絡が入りました。
相手は会場校の女子美術大学付属高。
相手にとっては毎日練習して、慣れているコート。
かえつはいつも以上に力を発揮しないと勝てない相手です。
しかも、時間の関係上、一気にダブルスとシングルス1が試合に入りました。
ダブルスは絶対に落とせない1本です。
気持ちの切り替えが出来ていなかったこともあり、一気に相手にリードをされます。
しかし、そこは粘りのペア。くらいつき、簡単にゲームは取られないようになりますが、最後の締めが出来ず、ゲームを重ねることができません。
終わってみると、最初の出遅れが結局足を引っ張り、2-6で負けてしまいました。
同時に、横ではシングルスの試合が展開中。途中経過では0-4。
アドバイザーには部長が入り、後輩の選手に一生懸命アドバイスや励ましをします。
隣のコートから見ていても、相手校の選手はかなり上手。このままいくと2敗でかえつの
負けが決定してしまう。ダブルスの負けの雰囲気を感じたのか、負けられない思いで必死に
くらいつきます。他校の生徒も見に来るくらい、白熱した試合となり、3-4までまくっています。
白熱した試合の横ではダブルスが終わり、シングルス2の試合が始まりました。
2回戦の最後からのぼり調子になっていたので、入りも抜群、2-0で先行。出だし好調。
シングルス1が何とか頑張ってくれればと全員が祈っていましたが、やはり相手は強かった。
残念ながら最後は及ばず、シングルス1の負けが決定したところで、シングルス2も試合の
打ち切り、かえつ有明高校3年生にとって最後の試合となってしまいました。
敗因は一つではありません。反省する点もたくさんありました。
でも、それよりも、高校3年生が魅せた大きな背中は後輩にしっかりと伝わりました。
敗戦後も相手校にエールを送る姿には胸を打たれました。
高校3年生は最初はたくさん入部しましたが、一人減り、二人減り…仲間が辞めていくなかでも、
4人は力を合わせて、最後まで頑張りました。6年間、何かを続けるということは並大抵のことではありません。最後は試合に負けた悔しさと仲間と後輩とテニスを毎日出来ない悲しさが募り、号泣しながら、後輩に一人ずつメッセージを残しました。
辛いことがあっても、そんな顔を見せることなく、いつも笑顔でみんなを下から支えてきた部長。
落ちついた精神力で、最後の最後まで粘る生徒。
頭脳派で常に考えてプレーをし、視野を広く持ち、マイペースに行く生徒。
時に優しく、でも時に厳しく、常に愛と笑顔で仲間や後輩を導いてきた生徒。
たった4人、でも存在の大きい4人でした。
彼女達が最後の最後まで力を振り絞った姿を後輩は見ています。
また、明日から新たなテニス部の1ページが始まります。
卒業したOGが「遊びに行きたい」と思ってくれるような活気のある部活にするために、また新しいメンバーで頑張っていきます。
いつまでも変わらない「明るいテニス部」、でも時代とともに変わる「強いテニス部」を目指して、今後も頑張っていきます。