こんにちは。科学部です。
本日の活動の様子を紹介します。
●前回から引き続き行ってきた遺伝子導入の実験がいよいよクライマックスです。
少し話す内容が難しいですがご容赦ください。
【遺伝子導入の実験】
今回行った実験は、大腸菌の遺伝子組み換えを体験するものです。
細胞がもともと持っていない遺伝子を取り込んで、それが発現されることを『形質転換』といいます。
大腸菌は、染色体遺伝子のほかにプラスミドと呼ばれる小さい環状のDNAを持つことができます。
今回用いたpGLOプラスミドはGreen Fluorescent Protein (GFP)たんぱく質遺伝子と、抗生物質アンピシリン耐性(β-ラクタマーゼというアンピシリン分解酵素)の遺伝子が入っています。
また、pGLOは取り込まれた細胞の中においてGFPが アラビノース※1 があるかないかによってコントロールされるように作られています。
新しく遺伝子を取り込ませた細胞は、培養する寒天培地にアラビノースが含まれていると蛍光を発し、アラビノースが入っていない培地では変化がありません。
このプラスミド遺伝子を故意に取り込ませ、その新しい遺伝子の情報を大腸菌の中で発現させるというものです。
形質転換によって、大腸菌は今まで持っていなかったクラゲの遺伝子を発現させて、「UVライトを当てると緑色に蛍光を発するたんぱく質」を作り出します。
※1:アラビノース:糖の一種
↑ ひとつのシャーレだけが光っていますね。
[実験結果]
プラスミドの有無 | 培地の状況 | 増えたか増えないか | 写真 | |
① | なし | LB | ふえた | |
② | なし | LB + アンピシリン | ふえない | |
③ | あり | LB + アンピシリン | ふえた | |
④ | あり | LB + アンピシリン + アラビノース | ふえた + 光った! |
※LBとは寒天培地のことです。
遺伝子導入の実験は、これで完結です!
実験後の考察は、次回の更新で書きますのでお楽しみに!!
またの更新をお楽しみに!