最近、若い人の活躍が従来よりもひと際目立つような気がしてなりません。私の個人的に関心の高い分野に限られますが、具体的に挙げてみます。
- まだ中学生にもかかわらず、29連勝という離れ業を演じた将棋の藤井聡太4段。その後も順調に実力を蓄えつつ、現在は7段に。各種棋戦でタイトルに挑む日も間近と期待されています。
- 史上初の10代名人となった囲碁棋士の芝野虎丸九段。七大タイトル最年少獲得となり、他の棋戦でも大活躍。AIを相手に鍛錬を重ね、棋譜を見ただけで発想の違いが感じられる棋士です。国際棋戦で振るわない日本の救世主となってほしいと思うのですが・・・。
- 女流棋聖位6期、女流名人位2期などのタイトル保持者で、昭和の時代を代表する囲碁棋士である藤沢秀行(故人)の孫にあたる藤沢里奈4段。現在21歳にもかかわらず、女流4冠であり、これまでのタイトル獲得数は12となっています。引退した女流棋士を含めてもそれを上回る棋士は一人しかいません。“女流”が付かないタイトル戦は男性棋士だけでなく女流棋士にも開かれています。藤沢里奈4段は男性棋士とも対等の成績を残し、現在、名人戦リーグ入りにあと一勝と迫っています。
注)名人戦リーグに入るには長丁場の予選を勝ち抜かねばならず、リーグ入りだけで一流騎士とされ、女流棋士のリーグ入りはこれまで前例がありません。
- 更に囲碁の世界の話になりますが、史上最年少で囲碁のプロ棋士になった仲邑菫初段(10歳)がいます。小学生でプロ棋士になった人には林海鋒、趙治勲、井山裕太などの錚々たる面々がおり、いずれも数多くのタイトルを獲得した名棋士になっています。将来が楽しみです。
- ゴルフでは何といっても女子ゴルフ界を席巻する黄金世代でしょうか。黄金世代とは1998年4月~1999年3月生まれの女子ゴルファーを意味します。最近の日本の女子ゴルフの試合のほとんどでこの世代に属する人が優勝しています。中でも一躍有名になったのが渋野日向子プロでしょう。国内での試合だけでなく世界のメジャー大会の一つである全英女子オープンをも制覇し、海外メディアでも’Smiling Cinderella’と紹介されたことは広く知られています。
その他、卓球、バドミントン、水泳、更には東京オリンピックにも組み入れられた比較的新しいスポーツなどでも若手が目立つ気がします。そこに強く頼もしさを感じているこの頃です。
若くしてトップクラスに昇り詰める人々には一つの共通点があるように思われます。それは何かと言えば、兎に角それが好きであり、負けず嫌いで、負けたときの悔しさを次の飛躍の糧にし、自分の信念を頑ななまでに曲げない強い意思の持ち主であることです。
人それぞれが持つ能力や興味は極めて多様です。それらのレベルも様々です。しかし、自分自身が最も興味があり、自信もある分野を活躍の場とすることができれば、そこで輝いた人生を歩むことが出来ると思います。ただし、自分では気づかない隠れた能力というものがあることもまた事実です。それが何時、どのようなときに現れるのかも分からないものですが、永い人生のある時期に気付かされ、ある意味での大きな方向転換のきっかけとなることも有りうることを忘れないでください。その時にはそれまでに幅広い学びが出来ていたか否かが重要です。「広く学ぶ」という姿勢を堅持し、それを実践することも重要です。