12月21日(土)に、NPO法人「がんの早期診断・治療に必要な病理診断の総合力を向上させる会」主催で順天堂大学医学部附属練馬病院の小倉加奈子先生をお迎えして「病理診断」のワークショップを生物室で実施しました。
このワークショップに生徒34名が参加しました。アシスタントとして本校の卒業生であり、順天堂大学医学部6年生の桑田力丸さんも駆けつけてくれました。
このワークショップの目的は、
1.病理医の仕事を知ること
2.医師の診断の手順や方法は、日常におけるモノの見方と共通点があることを知ること
3.わかりやすく「伝える」という方法を考えていくこと
病理診断のワークを2つ実施します。
ワーク1:「身の回りのものを診断してみる」
「たくさんの野菜の特徴を分析し、分類する」班、「バナナの”食べごろ”はどういう状態か、それについての自分の診断基準を作成する」班、に分かれてグループワークを実施し、発表します。
ワーク2:「本物の大腸腫瘍を実際の病理医とまったく同じ方法で診断してみる」
「癌細胞と正常細胞」「異形性の変化」「分化度」「組織型」などを教わり、実際の細胞を顕微鏡とPC画像を見ながら、グループで実際に腫瘍の診断をしていきます。各班で診断結果をまとめ、発表をします。
最後に参加者全員に修了証が発行され、最優秀の診断チームには賞品も渡されることになっています。そして、なんと、その最優秀チームに選ばれたのは、中学1年生の4人組でした。選ばれた理由は、診断に論理的な根拠を、的確に述べることができたからです。
医学、特に病理学の魅力が伝わるワークショップでした。8時間近くのワークショップで、高度な内容にもかかわらず、多くの中学生が参加してくれました。参加者の満足度も高かったと思います。
今回のワークショップの講師、小倉加奈子先生の本『おしゃべりながんの図鑑』がドルフィンにも入っています。ぜひ読んでみてください。