まなび
【課外活動】Stanford E Japan 体験談
Stanford E Japan 体験談
-スタンフォード大学の授業を、無料で、日本にいながら受けられる。そんな機会が本当に存在した。-
こんにちは、高2新クラスに所属しているY.Rです。
2025年の秋から2026年の冬にかけて開催された、「Stanford E Japan」「Fall 2025 Stanford University Scholars Program for Japanese High School Students」に参加した体験をお伝えします。
まず ”Stanford E Japan” とは?
今回私が参加できたStanford E Japanについて知らない方の為に説明したいと思います。
Stanford E Japan のホームページ

Stanford E Japan とは、アメリカのスタンフォード大学が主催している日本の高校生に向けたオンライン教育プログラムで、SPICE(Stanford Program on International and Cross-cultural Education)という団体が行っています。目的としては、日米関係の重要さを日米双方の文化や社会を通じて学ぶというのがあり、教師陣は大使、大学教授、専門家等と多岐にわたり、非常に多彩な学習プログラムが用意されています。
※言語はすべて英語です。
このプログラムは応募形式で募集されており、毎シーズン(春季、秋季)約30人と日本で限られた人しか受けることができない、非常に狭き門のプログラムです。
しかし、このプログラムは、柳井正財団の援助により無料で受けることができ、日本に住んでいればどこからでも受講できます。
Stanfordというアメリカ、いや世界最高峰の教育機関から無料で日米関係を本格的に学べるなんて、逃せない機会です。
他にも Stanford e-Entrepreneurship Japan という経営や起業家精神に特化したプログラムもあるそうです。興味がある方はぜひチェックしてみてください。
参加のきっかけ +応募のコツ?
参加のきっかけは、一学年上の新クラスの先輩が応募しているのを見て、初めてこのプログラムの存在を知りました。もともと歴史や政治が好きだったので自分の中での日米関係/同盟や文化を再認識(再定義)したかったのと、これらを大学レベルで掘り下げられる環境があるなら挑戦したいと思い応募することにしました。
自分は運が良かったのか、初応募で無事選抜されました。
選考では志望動機が重要だと思っていて、特に「私とアメリカと日本はどういう関係なのか」と「なぜ私が日米関係を学びたいのか」≒「なぜEジャパンで学ばないといけないのか」を意識して書きました。
自分の場合、祖父の人生から始まる個人的なストーリーを軸に書きました。志望動機は抽象的にならず、自分にしか書けないエピソードを起点にすることが大事だと思います。
エッセイとは別に動画を送らないといけないのですがそこでは、エッセイでは書けなかった私の趣味や個性を表現しました。
プログラムの全容
Stanford E Japan は、スタンフォード大学が使用する学習管理システム「Canvas」上で行われるオンラインプログラムです。全体は12のモジュールで構成されており、第二次世界大戦や日系アメリカ人の強制収容、バイカルチャリズム、公民権運動、ジェンダー、シリコンバレーまで、歴史・文化・社会問題を幅広くカバーしています。1週間サイクルで進んでいき、毎週「設問への回答」と「ディスカッションボード」という2種類の事前課題が課されます。ディスカッションボードは掲示板形式で、各生徒が議題を立てて自由に意見を交わすというもので、これが一番大変でした。
ディスカッションボードの写真
”Biculturalism and the Japanese”の単元で私が投稿した問いです。


途中には起業家精神をテーマにしたグループワークもあり、「人々の生活に影響を与えるビジネス上の問題または社会問題を特定し、革新的な解決策を考えよ」というお題でプレゼンを行いました。私たちのグループは「やさしい日本語」をテーマに掲げ、増加する在日外国人との言語的な壁を解消するビジネスを構想しました。準備期間はわずか1週間ほどでしたが、発表後に質疑応答をもらえる形式で、かなり刺激的な経験でした。
参加してみての感想
このプログラムを通じて一番大きかったのは、「歴史」「文化」「社会」「経済」といったそれまでバラバラだった知識が、12のモジュールを経ることで一本の線として見えるようになったことです。日本の視点からアメリカをみて、アメリカを知って日本をまた見直すという”Insider-outsider perspective”を得ることができました。インターネットやニュースで形成されていた日米観が、内側と外側の両方の視点で大きく変わったと思います。特に自分の関心である政治経済学的な視点をどう議論に絡めるか、毎週試行錯誤していました。
定期考査との時期が重なった週は正直キツかったですが、時間管理をしっかりすれば乗り越えられます。むしろ、同年代のアメリカの若者と交流できたことや、何より同じ日本にこんなに面白くて思慮深い人たちがいるんだ、と気づかされたのが個人的には一番の収穫でした。
集大成としての最終論文
Stanford E Japan は、授業の内容ばかり注目されがちですが、プログラムの締めくくりとして各自が最終論文を執筆します。総合的に優秀だった生徒は、夏にスタンフォード大学で直接論文を学会に発表する機会がもらえます。
各生徒が書いた最終論文を学術誌にまとめます。
これは、先輩がプログラムを修了したときに頂いたものです。(ドルフィン公式Instagramより)

Rough draftを提出して講師からフィードバックをもらい、Final draftを仕上げる流れです。MLA形式・1600語(5枚相当)という本格的な学術論文で、きちんとした文献調査も必要です。
私は「AI時代が半導体を通して日米関係・同盟をどのように変えうるか」について書きました。LLM(大規模言語モデル)の発展に伴うAIブームを起点に、AI開発に不可欠な半導体が従来の経済モデルをどう変容させ、日米それぞれの立ち位置がどう変わるかを安全保障の観点から分析しました。
私が書いた論文の序盤部分。

このテーマを選んだのには理由が3つあります。①AIの飛躍がピークを迎えるいましか書けないテーマであること、②地政学と経済を掛け合わせるという自分ならではの視点を活かせること、そして③応募時の「私にとっての日米関係を再定義する」という志望動機と一致していたことです。この論文を書き切ったことで、自分がこれから進むべき方向性が少し見えた気がして、個人的にはとても満足しています。
執筆は冬休み中で、定期考査と被らずに済んだのは幸いでした。とはいえ年末年始はパソコンと向き合いっぱなしで、まさに「年越しEJapan」状態でしたが、高校生のうちに本物の学術論文を書ける機会をもらえたことは、本当に自分の中に残る経験になりました。
最後に
このプログラムを通じて、応募時に掲げた「日米関係を再定義する」という目標は、自分の中で確かに達成されたと感じています。アメリカに物理的に足を運ぶことなく、議論し、学び、成長できたこの経験は、まさに知的な留学とも言えるものでした。
日本の中でこれほど多様な視点を持つ同世代と出会えたこと、そしてアメリカの学生たちと同じ時代・同じ世界に生きる人間として言葉を交わせたことは教室では決して得られなかったものです。
もし応募を迷っている人がいるなら、ぜひ挑戦してみてください。このプログラムは、知識を得る場であると同時に、自分がどこに立っているかを問い直す場でもあります。
最後に、一緒に議論を重ねてくれた参加者のみなさん、貴重な知見を共有してくださった教授・ゲストスピーカーの方々、そしてこの機会を作ってくださったSPICEの先生方と柳井正財団のみなさんに、感謝の気持ちをお伝えします。本当にありがとうございました。
応募はここから https://spice.fsi.stanford.edu/fellowship/stanford-e-japan
在校生・保護者の方へ
卒業生の方へ
アクセス




受験生イベント
パンフレット
お問い合わせ